交通事故の「後遺障害」「後遺症」といった言葉を耳にされたことのある方は多いでしょう。では,一体それはどういうものを指すのでしょうか?

後遺症と後遺障害は異なる概念

一般に,病気やケガの「後遺症」というと,相当治療したけれども残ってしまった心身の不具合を指します。例えば三省堂の『大辞林 第3版』には,「疾病の初期の急性症状が消失したあとに長く残る非進行性の機能障害。脳卒中後の手足の麻痺など。」と説明されています。
交通事故で負傷された方が不幸にして残してしまう心身の機能障害は,多種多様にわたるでしょう。そしてそのために,生活や仕事にいろいろな支障を来たして困っていらっしゃる方も多いでしょう。それではそういった不具合や支障―いわゆる「後遺症」―が,すべて補償の対象となるのでしょうか?
そうではありません。最初に,後遺症が存在する=後遺障害が自動的に認められるということでは,決してないということをはっきりと申し上げておきます。

後遺障害とは?

どれだけ後遺症で苦しんでいても,その症状が,「自動車損害賠償保障法施行令別表(後遺障害別等級表)」に規定されたどれかに該当しないと,交通事故の「後遺障害」とは認められず,それによる損害について補償を受けることはできないのです。いくら古代のローマや中国の法律に詳しくても,現代日本の民法や刑法の知識がないと司法試験に合格できないのと似たようなことかもしれません。
後遺障害の等級は1級から14級までに分けられ,137の類型が規定されています。色々な辛い後遺症があっても,137類型のどれかに該当するものが1つもなければ,後遺障害ありとは認定されないのです。

認定に大切な「因果関係」

 次に,実際は137類型のどれかに該当する後遺症が存在する(そしてそれが交通事故に起因する)場合であっても,その症状の存在自体,あるいは事故との因果関係が否定されてしまうと,後遺障害は認められません。これは非常に残念なことです。先ほどの試験の例では,出題分野について詳細な知識と深い理解を有しているのに,答案の書き方がまずかったために良い評価が得られず,不合格になってしまうようなものでしょう。
 後遺障害が認定されるかどうかにおいては,被害者の方のアピールや,医師の診断書の書き方がポイントになります。

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 「後遺障害」といっても,いわゆる「障害者手帳」の対象となるような高度の障害ばかりではありません。むしろ下位の等級に挙げられる症状は,一般に「障害」と捉えられない程度のものが多いでしょう。ですから,被害者が知らず,気付かずに申請しなければそれまでで終わってしまいます。自分の症状が137類型のどれかに該当することはないかを注意深く考え,効果的に行動する必要があるのです。
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