こんにちは、弁護士の井上です。
交通事故から3年が経っている場合でも、その3年の間にある一定の行為をしていれば、時効だ!と言われる可能性が極めて低くなります(その行為をしたときから〇年、〇か月と、起算点が変わるからです)。これを時効の中断といいます。
 「ある一定の行為」とは以下の3つの行為を指します。

  ア.裁判上の請求
   訴えを提起する等、裁判上の請求をした場合、請求した範囲で時効の期間がいったん止まります(=時計を止める感覚ですね、そっから先は、事故から3年、という話ではなくなります)。
   注意すべきは、時効中断の効力が生じるのは「裁判上の」請求に限られていて、相手方に費用を支払うよう要求しても、例えば内容証明郵便を送ったり、調停の申立をしていたりしても、時効が完成してしまう場合がある(民法151条、153条)、ということです。気をつけないといけませんね。
イ.保全処分
   差押え、仮差押え、仮処分という裁判上の手続きがなされた場合も、時効の中断が生じます。
ウ.債務承認
   事故の相手方が「債務を引き続き負っている」という意思を債権者側に示した場合、「債務承認」として時効中断の効力が生じます。
   例えば、相手方が無保険で、本人で支払をする場合に、「支払をもう少し待ってくれ」という相手方の音声が録音されたテープがある場合、銀行口座への振込み履歴がある場合、債務承認があったと認められる可能性があります。
   保険会社が治療費等を支払うことも、すなわち債務の承認というわけです。
で、初回の話につながるわけですが、保険会社としては、特別な事情が無ければ
   「うちは時効とはよう言いませんので・・・・(この状況で時効はいえへんし、裁判なるし・・・)」
   という感じで、大方のケースでは問題にならないのです。

   では、保険会社からの支払が全くない場合に、何があれば万全か、というのはやはり、具体的にお話を伺ってから判断できることですので、詳しくはやはり当事務所へ。

 ※ なお、事故の時から20年経過していると、時効成立の有無にかかわらず、請求権は消滅するので注意して下さい(そもそも事故との関係をきれいに説明できるかという問題もありますので)。

とまあ、ごちゃごちゃと色々お話しさせて頂きましたが、だいぶ疲れてきたので、この辺でやめときたいと思います。

できれば、時効が問題になりそうになる前に、お困りの際はすぐ弁護士にご相談頂き、対応を検討させて頂ければと思うのです。
何せ、トラブルを予防するのも仕事ですからね(どや顔)。

交通事故問題の解決は、医学的な根拠と認定基準、理屈を盾にする世界の話ですので、時間の闘いならなんぼでもしまっせ、っていう戦略はあんまりやめといた方が良いです。

下調べして書いているつもりですが、仕事終わりのとろけた頭で書いている+私の能力の限界でわかりやすく書こうとして不正確になっている部分もあるかと思うので、間違いに気づいた方、何やこの文章は、と気づいた方は、是非
sakai@ibarakitaiyo-law.jp
までご連絡頂けるとありがたいです。こっそり訂正致します。