弁護士の岸です。
前回は交通事故損害賠償の「損害」について説明しました。
(詳しくは『交通事故損害賠償の「損害」とは?その1』を参照ください)

今回は、分類・整理されたそれぞれの「損害」の内容に入りたいと思います。
 

第2 損害の内容

1 人身損害における積極損害

(1)例によって、まずは「人身損害における積極損害」の全体構造を示します。

人身損害における積極損害

=①治療関係費+②入院雑費+③交通費+④付添看護費+⑤将来の介護費+⑥装具・器具購入費等+⑦家屋改造費等+⑧葬儀関係費+⑨その他
 
いかがでしょうか。①から⑨の名称を読むと、前回記事で示した積極損害の定義(事故により支出を余儀なくされた損害)の理解が深まりませんか。要するに、交通事故に遭うとこのような支出を強いられる可能性がありますよ、ということです。
 

(2)次に、①から⑨の内容、あるいは具体例、ポイントを、簡単に示すことにします。

①治療関係費:治療費、入院費、診断書作成費等の文書料

②入院雑費:入院中の日用雑貨費(寝具、衣類等)、通信費(電話代等)、文化費(新聞代、テレビ賃借料等)等、入院することによって生じた諸々の費用

③交通費:入退院や通院に要した電車、バス等の運賃等

④付添看護費:読んで字の如し

⑤将来の介護費:被害者に後遺障害がある場合などに生じることが予想される将来の介護費用

⑥装具・器具購入費等:車椅子、義足、電動ベッド等の購入費等

⑦家屋改造費等:事故により車椅子での生活を余儀なくされた場合、居宅内で車椅子での生活ができるように浴室や廊下の改造、段差解消等の工事をするための費用等

⑧葬儀関係費:葬祭費、供養料、墓碑建立費、仏壇費、仏具購入費等

⑨その他:事故証明書等の文書料等

 

どうでしょうか。それぞれの費用のイメージを持っていただけたでしょうか。次回記事ではそれぞれの費用について、深く掘り下げて説明をしていくつもりです。